2012/11/08

なにかをみている







知らない時間  埋めるように

歩いた道  辿るように



きみが 話して

それを わたしが聴く



カタタン コトン



わたしが 話して

きみが それを聴く



カタン コトトン



「出逢うまえにも おなじもの見ていたのね」



話を聴きながら

そっぽ向いて

唇噛み

うなずくきみ を

空みたいだ


思った




2012/10/05

夜のさんぽ





ひとに話しても

あんまりわかってもらえない

と言って

きみは

話してくれました


こんなこと考えないでしょう

と聞かれたけれど

わたしは

毎日そんなことを考えるので

とってもよく考える

と言いました


話に夢中になって

しらないところまで

歩きました


帰り道が

わからなくなったね


ふと 月を見上げると


きみは

わたしを見たあとで

月を見上げました




2012/09/26

薄紫色のちょうちょ



三年くらい前

お母さんとお兄ちゃんとお墓参りに行ったとき



のってきた車のドアを開けたら

 一匹の ちょうちょが

ひらひらと 入ってきた


そのちょうちょは

薄紫色の

絵のように可愛い

みたこともないちょうちょでした



そのちょうちょは 車のなかを

うれしそうに ひらひら と 一周してから

また ひらひら と 外へ飛んでゆきました



わたしは そのちょうちょがすぐに

ひいばあちゃんだ

とおもって

ほんとうにうれしかった


どうしても

そのまま つかまえて

手のなかに おさめてしまいたかった



とってもきれいな薄紫色のちょうちょ

ひいばあちゃんの大好きな

都忘れの花の色



それからは

ちょうちょ って

亡くなったひとの生まれ変わりなんじゃないか

と思って みてしまう


最近では

花 もそうなんじゃないか と

密かに思っている



いつかまた逢えるかな




2012/07/31




げんじつとうひ

って


げんじつとむきあって

はじめて

つかうことばなんだよ 


こえがしました



そして


わたしが


いま つきは みちてきている?


と きくと


きみは


すぐに


みちてきているところだけど


どうして?





きくので




ああ


おなじこと かんがえている と


おもいました



2012/07/25

眠るまえには




眠るまえには


真っ暗で なにもない 天井を見ながら

わたしの知らない話

ひとつだけ  聞かせてほしい


旅をした国のことや

読んだ本のこと



はじめて逢ったとき

星はどうして光るのかを知っている?

と言って


話してくれたみたいに




たとえば

悲しい話でもいい



テレビから流れるニュースは

ときどき 悲しすぎて見られないけど




きみが話すなら

わたしは  悲しい話でもいい






2012/07/18

プリズム



悲しくもないのに

聴くと

悲しいような 涙 が あふれる 歌





悲しくもないのに

食べると

悲しいような 涙 が あふれる 味






悲しくもないのに

逢うと

悲しいような 涙 が あふれる 人












まぶしくて

目 が くらむように




うれしい


かなしい



時々

ひとつになるのかな









年を重ねるごとに 夏が好きになるのは

まぶしくて


まぶしくて


悲しいように思うからだろうか




このまえ行った

名古屋市科学館の世界最大プラネタリウムはすごかったです

ふっ と暗くなって 星しか見えなくなって

わぁ

っと思わず声にしてしまった

ほんとうに宇宙を漂っている と思いました

あんな星が普通に見えたら一番いいのに とも思いました








2012/06/28

ねぐせっ子


おともだちのnonocoちゃんのブランド

ツノガアル☆  at コルヌイユ(代官山)

の展示会に参加させていただきました




ねぐせツノっこブローチ





展示の様子



nonocoちゃんそのままのよな
ピリリとスパイスの効いた展示で
へんてこかわゆい自由な空間でした




いつもやさしくてへんてこなnonocoちゃんに
癒されてます

ののたんありがとーー




そして私が
人のねぐせがすきだよー
すきなんだよー
とおもって

ねぐせくん
という置きものを作って
部屋に置いていたら

部屋に遊びにきたおともだちが
その子を見て
なんと
ねぐせくんの物語を作ってくれました


それが素晴らしくって
素晴らしくって


絵本にしたい気持ちが
もくもく湧いてます
いま





おまけは



このまえイカナイト at 6次元へ作っていった

イカくんたち




みんな嫁..婿..?へいってしまったので

元気にしてるかな





2012/06/01

小/憬/夢


きょうは
逢ったことのない
すきなひとの夢をみた


きのう 布団を干したからだろうか


布団から出て
身支度を済ませ
いつものように家を出る


まだ夢半分で 電車にゆられ
仕事場に向かった


うとうとしながら
その夢を思い出す




・・・


わたしはどこかに向かって
廊下のようなところを歩いている

教室のような部屋にいるきみと
窓越しに目があったから
手を振ったのに

きみは目を合わせるだけで
なんだか そっけない



窓が 途切れて
見えなくなる瞬間


きみは
すこしだけ手をあげて
笑った



みえなくなる ほんの

一瞬 の



一瞬 で

光と熱に 消えてしまいそうな

笑顔で


・・・




きょうは とてもよく晴れている

車窓の外は 少しだけ 夏の気配で

葉の一枚一枚や

川のあちこちに 光が落ちて

世界を照らしてる



わたしは

電車に揺られながら

このしあわせな気持ちと

光のかたちを

照らし合わせてみた


・・・




わけもわからずに

ずっと 考えて 考えて

大事におもってきたことは

大きなことが起こったいまでも

変わらないように思う




遠くの星を見上げれば

その光に

遠さに

目が眩むほど 憬れて


足もとを見下ろせば

葉に映って 揺らいでいるひかりのかたちが

そんな星に似ている と

わたしは飽きもせずに

恋している



電車は

四ッ谷 ー 御茶ノ水 間を 通過中

ここは東京の真ん中

緑の無法地帯

大好きな景色だ


この自由にのびた蔦をつなげたら

この自由な地の風に吹かれて


あの星まで

届くといいのに




2012/04/30

ことばのない森







雨あがり  湿った森のなかで

きみと はなしをしたいな


葉や 土の匂いと

澄んだ ひかりと

きみのこえ


そのときまでには みたこともない

生きもの の 息づかいは 数えきれないほどで



木や 草の葉たちが

こっそり  聞き耳たててるよ



ほんとうに伝えたいことをきくよ



ことばのないものたちの なかだから

どんなかたちでも  平気だよ


そっと   ゆっくり

はなそうよ



きみのこえが

森にしみこんでいくのが わかるように