きょうは
逢ったことのない
すきなひとの夢をみた
きのう 布団を干したからだろうか
布団から出て
身支度を済ませ
いつものように家を出る
まだ夢半分で 電車にゆられ
仕事場に向かった
うとうとしながら
その夢を思い出す
・・・
わたしはどこかに向かって
廊下のようなところを歩いている
教室のような部屋にいるきみと
窓越しに目があったから
手を振ったのに
きみは目を合わせるだけで
なんだか そっけない
窓が 途切れて
見えなくなる瞬間
きみは
すこしだけ手をあげて
笑った
みえなくなる ほんの
一瞬 の
一瞬 で
光と熱に 消えてしまいそうな
笑顔で
・・・
きょうは とてもよく晴れている
車窓の外は 少しだけ 夏の気配で
葉の一枚一枚や
川のあちこちに 光が落ちて
世界を照らしてる
わたしは
電車に揺られながら
このしあわせな気持ちと
光のかたちを
照らし合わせてみた
・・・
わけもわからずに
ずっと 考えて 考えて
大事におもってきたことは
大きなことが起こったいまでも
変わらないように思う
遠くの星を見上げれば
その光に
遠さに
目が眩むほど 憬れて
足もとを見下ろせば
葉に映って 揺らいでいるひかりのかたちが
そんな星に似ている と
わたしは飽きもせずに
恋している
電車は
四ッ谷 ー 御茶ノ水 間を 通過中
ここは東京の真ん中
緑の無法地帯
大好きな景色だ
この自由にのびた蔦をつなげたら
この自由な地の風に吹かれて
あの星まで
届くといいのに